日々、好日。

うつわや日本の手仕事、日々のことを綴っています。

うつわの目止め

うつわを使い始める前に、

”目止め”を行います。

 

お米のとぎ汁をお鍋にうつし、

冷たい状態からうつわを浸します。

 

火を入れ、沸騰したら

くつくつとしばらく煮沸します。

うつわがとぎ汁からでているので

全体が満遍なく浸るよう

くるくる回しながら…。

 

うつわは急激な温度変化が苦手なので

中火でゆっくり加熱するといいかもしれません。

 

火を止め、お鍋に入れたまま、

完全に冷めるまで待ちます。

全体が浸るよう、

ここでもくるくる回します。

 

これで目止めは完了です。


うつわは焼きあがった後、

乾燥した状態で売られています。

目に見えない無数の空気の穴があり、

目止めをすることで

粘りのあるお米のとぎ汁がこの穴を埋めてくれるので、

シミやカビが発生しにくくなります。

 

ちなみに

これは陶器に限り、

磁器は目止めの必要はありません。


じつは私は、いままで目止めをしないで

うつわを使っていました。

でも

食事の後はすぐ洗うようにしたり、

しっかり乾燥させてから食器棚に入れています。

いまのところ特に問題はありません。


目止めをしていても

長年使用していれば

食べ物の水分や油分を少しずつ吸収してしまうとは思います。

ただ、それも味になって

自分だけのうつわとして、

愛着が湧いてくるものだと思うのです。


「うつわを育てる」とはよく聞きますが

経年変化も愉しんで、

上手に付き合っていきたいですね。

 

f:id:acco_ymmt:20150504161702j:plain